詐欺サイト対策は逆効果?偽ECサイトに自社商品を掲載されたときの対応について

2019年12月3日

私はネット詐欺に騙された経験があり、当ブログでも書きましたが、現在お仕事絡みで偽ECサイトの対策などあれこれ試行錯誤しています。

結果、 偽ECサイトの仕組み?は大分詳しくなりました。ただ、偽ECサイトの仕組みについての情報はネット上にあまりなく、理解するまでに苦労した上に、偽ECサイト対策が逆に詐欺に加担?・・・ということも見えてきたので、皆様に情報共有させて頂きます。

スポンサーリンク

ネット上に溢れる詐欺サイト、その存在に気づいたときにはもう手遅れ?

ECサイトに出店されているお店や、自社でネットショップを展開されている会社は、結構な割合で詐欺サイト被害・・・具体的には偽ECサイトに自社商品を掲載される・・・などの被害に遭われているのではないでしょうか?

自社の商品が偽ECサイトに載せられていることを気づいていない企業も、かなりあると思います。そして詐欺サイトは1つでも見つけたら、後は芋づるように出るわ、出るわ。。。もはや、手遅れ?

来る日も来る日も詐欺サイトを検索して調べる日々が始まる・・・

詐欺サイトを最初に見つけると、

「なぜ、自社の商品が全く知らないECサイトで売られているの???」

と 、かなり動揺されるかと思います。 当然ですよね。私もお仕事の関係で、お客様の商品が詐欺サイトに掲載されているのを見たときは、かなり動揺致しました。

そして、そのサイトをクリックしてあれこれ調べたり、他にも似たようなサイトがないか検索をして調べ、グーグルに通報したり削除依頼を出したり、詐欺サイトを毎日チェックする日々が続きました。

しかし、実はこういう対応が、詐欺サイトの検索順位を上げることになっている・・・ということを後になって知りました。

偽ECサイトなどの詐欺サイトの仕組み

偽ECサイトは、最初から見つけられる場合もありますが、多くの場合は大量のコピーサイトが最初に見つかり、それらをクリックしていくと、何個かに1つは偽ECサイトに転送される・・・というケースが殆どかと思います。

これはいったい、どういう仕組なのでしょう?

商品情報が世界各国の外国人ブログにコピぺされる

詐欺サイトの心配のある方は、まず自社商品の名前を検索してみられることをお薦めします。

検索したときに、自社商品の商品名や内容、画像などがコピーされた外国人のブログなどが出ていたら、残念ながら詐欺集団に目をつけられている可能性大です。

そのブログを開くと、たいがいの場合、世界各国の外国人の個人ブログに唐突に、自社の商品の画像や商品内容がコピーされいる状態。最初にこれを見たときは意味が分かりませんでした。苦笑

何しろカナダのスポーツ大好きな女性のブログだったり、ポーランドのクラシック音楽について書かれたブログだったりの中に、なぜかお客様の商品情報が唐突に貼り付けられているのです。

外国人のブログはハッキングされたもの?

最初はこれらのブログはブログ運営者が意図的にコピーしているものと思い、ブログ運営者に英語でメールを送ったりしましたが、調べてみるとどうも、ハッキングされたブログのよう。

詐欺集団はまずは、ハッキングしたブログに、片っ端から商品情報を適当にコピーしているようです。何のため?

外国人ブログから偽ECサイトに転送設定

この外国人ブログの中には、偽ECサイトに転送設定されているものがあります。転送されたサイトに行くと、そこは巧妙な偽ECサイトでお客様の商品が微妙な安値?で売られています。

つまり、ハッキングされたブログはグーグル検索でカモを釣るための“おとり”。商品情報の検索でハッキングされたブログが呼び出され、そのブログにアクセスすると詐欺サイトに転送される仕組み。

お客様の商品が掲載された偽ECサイトを見たときは、キャー!!と憤慨して速攻グーグルに通報しました。しかし、そもそも転送された偽ECサイトは最初から検索には出ないようになっているので、グーグルに通報してもあまり意味はないかも。やらないよりはマシですが。

転送設定されている外国人ブログ通報した場合、グーグルは転送元は削除してくれる可能性が高いです。ただ、それをしても詐欺集団はすぐに別のブログに転送設定をするだけなので、転送先の偽ECサイトを消すことは永遠に出来ません。

偽ECサイトだけでなく外国人ブログも削除できない

元の偽ECサイトが削除できないなら、せめて詐欺サイト転送予備軍の外国人ブログを削除できないものか?と思い、何度もグーグルに削除申請を出しました。

しかし、外国人ブログには単なる商品情報のコピーしか載っていないので、グーグルは削除できる権限がありませんので、何も起こりません。苦笑

それなら外国人ブログに対して著作権侵害の申し立て、という方法もあるかもしれませんが、商品情報のコピーなどアフィリサイトでは普通に載せられていますので、著作権侵害は通用しないかも。。。というか、その手続きにとられる時間が馬鹿らしいです。



詐欺集団も日進月歩。遂に詐欺サイト転送用の商品紹介ブログまで登場?

外国人ブログだけでも腹立たしいのですが、詐欺集団は日々進歩しているようです。例えば、偽ECサイトも以前はhttpの暗号化されていないURLだったのが、最近はhttpsのサイトもかなり増えています。

また、詐欺サイトを検索していると、わざわざ商品紹介をしてくれているサイトも見つかります。そうしたサイトは殆どがアフィリエイトサイトだと思いますが、中にはなんだか変なサイトがあったりします。商品を紹介してくれているのですが、

・日本語が変
・サイトのデザインが不気味

これもまた、詐欺サイトの転送用のサイトではないかと思われました。運営者などの情報がありませんし、とにかく日本人の感性からすると、何かがおかしいのです。アフィリエイトのサイトなら、明らかに商品に誘導しようという説明文がありますが、そういうものが一切なくただ、商品紹介(楽天などのコピペ)をしているだけ。それも日本語が少し変。

こういうサイトを見ると、これが詐欺手段が作ったものだとすれば、詐欺側もレベルが高くなり巧妙なっている・・・と恐ろしくなります。

外国人ブログを検索してクリックすることで、どんどん順位を上げてしまう

そんなモンモンとした日々の中、ある日こんな記事を見つけました。

詐欺サイト対策で検索してクリックすることで、転送用の外国人ブログの検索順位をどんどん上げることになる

えー!これは大変!詐欺サイト撲滅・・・のつもりでやっていたことが、逆に詐欺に加担することになっている!?

そこで、いくつかの外国人ブログの検索順位を監視してみたところ、確かにクリックすることで順位が上がっていきました。

駆除しても永遠のいたちごっこ? もはや有効な手立てはなし・・・

詐欺サイトを調べるために、クリックすることもご法度だと分かると、もう手立てがありません。。。一応、クリックはせずキャッシュのURLをコピーしてダイレクトにアクセスし、詐欺サイトに転送されないか監視はしていますが、出来るのはせいぜいこれくらい。

そして、ネットで詐欺サイト対策についていくら調べても、有効な手立てはない、という記事が殆どでした。

つまり、いくら駆除をしたところで永遠のいたちごっこ・・・涙

現在のささやかな詐欺サイト対策

ならば駆除は諦め、せめて偽ECサイトおよび、詐欺サイト予備軍(外国人ブログ)が上位にならないように手を打ってみようと思いました。お客様のサイトは元もの情報が少なく、詐欺サイト予備軍が上位にきやすいのです。そこで現在の対策は次の通り。

ささやかな詐欺対策

・詐欺サイト以外のサイトを毎日クリックする
・お客様の商品に関する記事をブログで書いたり、まともなサイトを増やしてクリックする

・お客様のホームページのメタスクリプションに【詐欺サイトにご注意ください】と表示。ホームページ内部でも注意喚起。
・お客様のサイト名の先頭に【公式】と表示。

毎日、詐欺サイト以外をクリック・・・なんて、なんと原始的な、と思われそうですが、順位を監視したところ、これらは多少は効果がありました。せっせとブログ記事を書いたり、他のお客様の記事をクリックしたりして、 検索1ページ目からはいくつかの詐欺サイト予備軍(外国人ブログ)を排除できました。また、メタスクリプションも詐欺サイトに並んで、【詐欺サイトにご注意ください】と表示が出るのはそれなりに効果があるように思います。

ということで、対処療法ばかりですが、これが私の偽ECサイト対策の現状でございます。多少、ご参考になったでしょうか。

尚、偽ECサイトと戦っておられる企業様の中には、 下のブログ記事↓ のように実際に注文をして詐欺集団の口座を押さえ、銀行に連絡をして片っ端から凍結させる、というツワモノもいらっしゃいます。これが一番効果的とのことなのでご参考まで。ついでに、私自身が詐欺被害にあって口座を凍結したことがあるので、その記事も載せておきます。

以上、ネット詐欺対策についての解説でした。