催眠状態?“詐欺被害に遭う人の心理”を体験をもとに解説します
私、数年前にネット詐欺に遭いました。香水サイトで騙され1万円を振り込み、その後に奮闘して2割取り戻しました。
苦々しい体験ですが、現在、サイト運営のお手伝いをする中で詐欺サイトのご相談も頂くようになったので、自身の詐欺被害経験は少なからず役に立っています。そこで、私の体験をご紹介いたします。
詐欺に遭うときは催眠状態に陥っている
私はオレオレ詐欺の被害の話などを聴くにつけ、「これだけ世間で詐欺が騒がれているのに、なぜ騙されるのだろう?」と思っていました。
そして疑い深い自分は絶対に騙されないだろう、とも思っていました。これは詐欺被害者の共通の感想でしょうか。。。
そんな私は実際に詐欺被害に遭ってみて今、しみじみ思うのは・・・
騙されるときは、一種の催眠状態に陥っている。
ということです。冷静な時ならすぐに「怪しい」と思えることが、なぜか詐欺被害に遭っている時は気づけないのです。言われるがままに動いてしまう。不思議な感覚でした。
私はなぜ、このような催眠状態に陥ってしまったのでしょうか?以下、その一部始終です。
幻の香水を求めて詐欺サイトに迷い込む
私が被害にあったのは香水のサイトです。 長らく使っていた香水が製造中止となったため、その香水を扱っているサイトを求めて日々ネットサーフィンをしていました。
製造中止となった香水は、国内では在庫は殆どなく、あったとしても僅かな在庫に定価(1万くらい)の3倍以上のお値段がついていました。
さすがに香水に3万円以上出すのは抵抗があり、なんとか安いショップがないか夢中で探したところ、ついに定価で売っているサイトを見つけたのです!それも、在庫が70個!?
普通の心理なら「その在庫と値段はおかしいでしょ?」と思うところですが、夢のようなショップの出現で舞い上がった私は、一切疑うことなく注文手続きを始めます。
見破れなかった詐欺サイトの怪しい画面
その香水サイトには怪しいポイントが沢山ありました。都度「変だな?」と思ったのに、なぜか全てスルーしてしまいました。
怪しいポイントが次の通りです。
ログインすると注文画面しかない
香水サイトにはログイン画面がありましたので、すぐに情報登録をしました。そして、ログインして注文を確定するとログアウトしてしまいます。再びログイン画面から入っても注文画面しかありません。「変だな?」とは思いましたが、すぐに「注文確定メール」が届いたので気にしませんでした。
今にして思えば、ログインと書いてある注文画面があっただけ・・・なんでしょうね。涙
クレジットカード決済のマークが表示されているのに、振込のみ
サイトの支払いの説明文にはVISA、マスターなどのクレジットカードのマークが貼られていました。ですのでてっきりクレカ決済が可能だと思っていたのに、注文完了メールが届くと支払い方法には振込先しか書いてありません。このときも「変だな?」思いつつ、注文が出来た満足感でスルーしました。
サイト運営者に電話番号表記がない
詐欺サイトの特徴として、サイト運営者の電話番号や住所表記がない、とよく言われますが、この香水サイトも電話番号がありませんでした。ただし住所が書いてあり、更に会社名、代表者名も出ていたので、電話番号がないことは気に留めませんでした。
明らかに外国人名の口座に振り込んでしまう(涙
注文確定後は、すぐに振込先の案内メールが届きました。銀行は東京スター銀行で、口座名義人は日本人の名前。特に怪しむことなく、すぐに振り込むつもりが、忙しくなって振込を忘れてしまいました。
そうすると1週間後に督促メールが届きました。その督促メールでは、なぜか振込先が変更になっており、口座名義人は「ガク ブンシヨウ」。明らかに外国人っぽい名前です。
それなのに!私は振込が遅れたことを申し訳なく思い、慌てて振り込んでしまいました。この名前を見て怪しまなかったのが、今でも不思議です。
詐欺集団から届いた翻訳の文面を読んで、我に返る
代金を振り込んだ後、私は詐欺集団にご丁寧に振り込んだ旨の連絡メールを送ると、御礼メールが届きました。それまでのメールは、きちんとした日本語のメールがきていたのに、いきなり翻訳のようなメールが送られてきました。
「 我々はできるだけ早く商品を発送いたします。 」
この一文を見たとき、「はっ!!」となり、ようやく催眠状態が解かれ我に返りました。やられた・・・。
自分が詐欺に遭ったと気付いた私は、すぐに香水サイトのURLをネットで検索してみると、出るわ、出るわ、同じような被害者。。。最初からURLを検索していればすぐに分かったことなのに、なぜ、気づかなかったのか、本当に不思議でした。
この後、私は詐欺集団に振り込んだお金を取り戻すべく奮闘します。これについては別の記事で書いて、この記事の最後に紹介しています。
“詐欺被害に遭う人の心理”のまとめ
この件以来、私は詐欺に遭った人たちのニュースを聴くと、同情的な気持ちを抱くようになりました。
なぜ、人はこうも簡単に詐欺にひっかかるのか・・・その理由が、自分の経験を通じて少しわかった気がします。
人は特別な精神状態(興奮状態)のときは、言われるがままになりやすい
“特別な精神状態”というのは何らかの興奮状態で、オレオレ詐欺であれば「親族の事故のようなショックな情報」を伝えることで、電話の向こうの相手は心拍数が上がり興奮状態に陥ります。私の場合は「希少価値のものが破格の値段で見つかった」ということに興奮してしまいました。。。(単純すぎ)
興奮すると、どうしても視野が狭くなります。それによって、冷静な判断力を失って言われるがままになりやすいのかもしれないですね。
詐欺の場合、何らかのインパクトを与えて興奮状態に陥れることで、警戒のハードルが一気に下がると、後は操りやすいのでしょう。 詐欺と同列にして申し訳ないですが 自己啓発セミナーなどもこの手法と言われています。
ということで、
詐欺被害に遭う時は、何かしら興奮する状態に陥っている時。。。
とすれば、どんなに普段冷静な人でも、絶対に大丈夫とは言い切れないと思いますので、お気を付けください。
尚、詐欺被害に遭った後の奮闘は下記の記事です。
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